
自転車で10分の場所で
今日から藤原新也さんの写真展が始まった。
エプソンのR-D1を使って、
今年の夏に撮影したポルトガルの写真を展示している。
3月に観た写真展「藤原新也の聖地〜旅と言葉の全軌跡」は
大きな会場に大小あわせて300点以上の写真が
展示してある大掛かりなものだった。
しかし今回は、
「ポルトガルの家庭の小さなリビングルームで
寛いでいるような気分になる写真展にしたい」
という藤原さんの言葉通り、
会場が5つの小部屋に仕切られていて、
それぞれの部屋にはソファーや小さな机が置かれ、
さらに壁紙は全て藤原さんがデザインしたものが貼られているという、
本当にアットホームな感じの作りになっていた。
ソファーに座ったり、部屋と部屋の間に
ちゃんと取り付けられているドアに寄りかかったりしていると、
リラックスした気分で写真を眺めることができる。
小部屋のひとつで写真を眺めていると、藤原さんが入ってきた。
普通の会場とは違い、誰かの家や小さなホテルのロビーで
会っているような雰囲気にウキウキしてしまって、
会釈をして、楽しい写真展が観られたことのお礼を伝えたが、
その後は何をお話していいのか分からなくなってしまった。
藤原さんが去った後、まだウキウキしていた僕は
目が合った年配の夫婦に「藤原新也さんですよ」と言ったが
「はい、そうですね」と軽くあしらわれてしまった。
前回の写真展は、アジアを中心とした写真に
インパクトのある言葉が添えられていたが、
今回は言葉が一切なく「言葉から解放される安らぎ」
というものをゆったりとした雰囲気の中で楽しむことができた。
アジアとヨーロッパでは雰囲気が大きく違い、
写真も喧騒的ではなく、なにか都会的というか
洗練された空気が感じられた。
それでも、やっぱりネコは好きらしく、
ネコの写真も何枚か飾られていた。
昼過ぎに起きて、買い物と食事を済ませて、
写真展に行った。
そして会場で藤原さんに会えた。
その瞬間、瞬間の自分の選択というのは、
自分以外のなにかに仕組まれているような気になってくる。
2月まで開催しているのでまた行ってみようと思う。